バカ田大学講義録

バカ田大学は、限りなくバカな話題を大真面目に論じる学舎です。学長の赤塚先生が不在のため、私、田吾作が講師を務めさせて頂いております。

2017-01-01から1年間の記事一覧

繋がり社会の網

2000年代の初頭から、個人でのインターネット利用が全世界で爆発的に普及し、テレビや新聞などの既存のメディアが独占していた情報の発信を、資本や技術のない一般人でも配信出来るようになりました。 ユーチューバーやブロガーといった職業が登場し、一般の…

化粧と女心

男性にとって理解が難しい女性の心。その一つにメイクがあります。何故女性は化粧をするのか、女性は化粧をどのように感じているのか、 男性の思考と比較して考察します。 化粧とは誰のためか 化粧水、化粧下地、保湿液、乳液、BBクリームパウダー、ファンデ…

あなたは「誰」を愛しますか?

「恋したい」「愛されたい」、いつの時代も 人は恋愛に憧れ、恋に悩んでいます。何故人は恋に溺れ恋に悩むのか、今回は小説「痴人の愛」を読み解きます。 痴人の愛 (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1947/11/12 メディア: 文庫 …

日本のエネルギー資源

日本はエネルギー資源として石油や天然ガスを全て外国からの輸入に頼っています。原子力発電所は再稼働の見込みが立たないため、国内電力の8割以上を火力発電に依存しています。 近年はマレーシアやインドネシアから天然ガスの輸入量が増えていますが、燃料…

「自由」とは何か

ストレスの多い現代社会は、誰もが仕事や人付き合いに振り回され「もっと自由になりたい!」と思います。しかし「自由」とはそもそも何か?今回は自由の意味を考察します。 忙しい社会 現代人の毎日は忙しく、社会人であれば仕事、 家庭に入れば家事育児、子…

臭いけど旨いもの

夏場は食品が腐り易く、家庭や飲食店が苦労する季節です。食料品の消費期限は余裕を持って設定されていますが、腐りかけた食品は細菌やカビが繁殖しています。 サルモネラ、O-157、ウェルシュ菌などは食中毒の危険が高い上に、菌の毒素は加熱しても分解され…

愛情と殺意の本能

今回は愛情と殺意の関係を考察します。両者は対局にあるようで、人間社会の基本はこの2形態しかありません。 殺人と戦争 日本国内での殺人事件は年々減少しており年間300件程です(2012:警察庁)。これが1950年代には2000件前後となります。しかし殺人事件とは…

孤悲の話

映画「君の名は」の記録的ヒットにより、新世代の映像作家となった新海誠監督。今回は2013年に製作された「言の葉の庭」を解説します。 言の葉の庭 発売日: 2014/11/15 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 愛よりも昔、孤悲の物語 都内の高…

障がい者と生きること

2016年7月26日、神奈川県相模原市の重度障がい者施設が襲撃され、19名の入居者が殺されました。あれから一年経過した中でも、事件は社会における障がい者の立場に重い宿題を残しています。それは容疑者の犯行動機に少なからず理解を示す人々が存在しているか…

お金が紙屑になる日

100兆ジンバブエドル 100000000000000ドル ハイパーインフレ ジンバブエドル 紙幣 出版社/メーカー: 世界の紙幣 メディア: おもちゃ&ホビー この商品を含むブログを見る ジンバブエの悲劇 アフリカ大陸の南端、南アフリカ共和国の隣にジンバブエという国が…

105歳の先生

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が亡くなりました。享年105歳、その生涯は波乱に満ちながら最後まで現役の医師であり続け、理想の医療を追求していました。 聖路加勤務時代 1911年、山口県に生まれた日野原先生は、京都帝国大学医学部を卒…

話し合う技術

営業マンの交渉から夫婦の会話に至るまで、私たちは様々な場面で意見を調整するために話し合っています。ですが双方が納得いく結論を得ることは難しい。何故なら私たちが話し合う目的は、双方が妥協することではなく、相手を自分の意見に合わせるためだから…

防災省をつくろう

7月6日に九州北部を襲った豪雨は、未だに被害の全容が掴めず、被災者を救助している現在進行系の災害になっています。 日本は世界の地震・火山の4割が集中しているといわれる災害多発国です。近年だけでも、 雲仙岳噴火:平成3年6月、死者43人 阪神淡路大震災…

良い人と都合良い人

私たちは様々な人間関係の中で生きています。仲良い人もいれば嫌いな人もいるでしょう。人の悩みが根本的には対人関係に行き着くことを踏まえれば、良い人たちに囲まれて生きて生きたいものです。ですが「良い人」とは決して好感が持てる人を指す訳ではあり…

ピカソの落書き

20世紀最大の画家パブロ・ピカソ。今日でも世界的な評価と人気があり、絵画1点に100億円以上の値がつくこともあります。子供の落書きにしか見えない絵をピカソは何故描き続けたのか。今回は絵画の見方を解説します。 青年期 パブロ・ピカソは1881年、スペイ…

登戸研究所の秘密

明治大学の生田キャンパスは理工学部と農学部が設置され、日々学生たちが研究を行っています。この場所はかつて誰にも知られてはいけない極秘研究をしていました。今回は大人の社会科見学として、旧登戸研究所を紹介します。 帝国陸軍登戸研究所 1930年代、…

「正しい」ダイエットの話

毎月のように、新しいダイエット方法が話題となり、そして消えてゆく現代社会。 「正しい」ダイエット方法が誰でも成功するならば、他のダイエット方法は登場しません。人々が新しいダイエット方法に飛びつくのは、以前の方法が失敗しているという証明です。…

野菜は世界を巡る

スーパーに並んでいる野菜は、今日の私たちの食生活には欠かせないものです。野菜の生産地にこだわる方も多いですが、歴史を辿ると日本原産の野菜というものは殆どありません。農業の歴史の中で、世界各地からやって来た外来野菜をその土地に合うように改良…

書くことは生きること

2017年6月22日、小林麻央さんが亡くなりました。享年34歳、乳癌でした。 生前の小林麻央さんは、2016年9月より、ブログを通じて自らの近況を発信し続けていました。その時には乳癌は骨や肺に転移し、手術が 出来ない状態でした。先が見えない中で、自分とい…

サッカーの組織論

世界で最も愛されるスポーツ 今回はサッカーの魅力を解説します。サッカーはイングランド発祥で、やがてヨーロッパ各地に広がり、当時植民地であった南米諸国や 中東、アフリカにも広がりました。基本的にボール1個あれば楽しめること、ゴールに入れれば得点…

裸の王様は誰?

「裸の王様」 C・アンデルセン作 ある国の国王のもとに、二人の詐欺師が服の仕立屋を装って訪れた。「聡明な王よ。貴方様のために最上の衣装を仕立てます。この服の価値は愚か者には理解出来ません。その目で服を見ることすら出来ないのです。」二人はその日…

幽霊は生きている:恐怖編

前回は、身体的な死を迎えた人が、社会的には 死なないことで、人々の意識を「幽霊」として彷徨っていると解説しました。 今回はその逆で、身体的には生きているのに、人々の意識から消され、社会的には存在しない「幽霊」を解説します。 「葬式ごっこ」 198…

都市の類型

人々が集まる都市は、商業や行政の中心として 発展してきました。しかし都市が作られる 目的は行政や商業のためだけではありません。 今回は都市の類型を見ていきます。 軍事都市 自国の防衛と他国への侵攻に適した土地に 軍隊を常駐させ、軍需産業が集まる…

都市と地形の関係

人々が集落で暮らす土地が「村」、家々が集まって、商店街や公共機関、鉄道や道路など交通網が発達した土地が「町」、そして周辺の町から伸びる交通網の中心地であり、数百万人が居住と生産活動を営む土地が「都市」です。都市はいかに成立しているか、今回…

南国の貧しさと豊かさ

金持ちの人生論 長年の努力が実って、金持ちとして成功した男がいた。彼は南の島で連日バカンスを楽しんでいたが、現地の人々は貧しいままでいるのに 全く努力せずに生きてることが気になった。 「これからは気ままに生きるのはやめて、毎日漁に出て、金を貯…

心理学の考え方(2)

3:「悪い人」はいない この社会に悪い人はいない、心理学はそのように考えます。社会は犯罪で溢れているし、自分も悪意を持った人間の被害に遭っている、と反論されるかと思います。ですが、「悪い人」の視点ではどう考えているのでしょう。 例えば立場の違…

心理学の考え方(1)

心理学を学べば、人の心が分かると考えている 方はおりますか?心理学は心の構造を解き明かすための学問ですが、それで相手が何を考えているか分かれば誰も苦労しません。 本来の心理学とは、「人の心は分からない」ことを前提としてそれを真摯に探求する学…

幽霊は生きている

「幽霊はいる」or 「幽霊はいない」、幽霊の存在をめぐる論争は、一般人から学者を巻き込んで未だに決着がつきません。ですが「幽霊は生きている」のです。 幽霊とは何か 幽霊とは、死者の魂がこの世に未練を残して彷徨っている。というのが一般的な認識です…

世界の終わりの始まり

世界の終わりはいつ始まったのか解説します。 終わりの始まりって、言葉が意味不明だと 思います。「世界の滅亡説」が繰り返し社会現象になるのは何故か、そういう話です。 終末思想のブーム 日本では「ノストラダムスの大予言」や「マヤ暦の終わりによる地…

大学の授業は無料です。

現代の日本において、子どもの6人に1人は貧困状態であるといわれ、経済的な理由で大学進学を諦める若者が出てきました。こうした現状に政府も危機感を募らせ、安倍政権は憲法改正案に高等教育の無償化を盛り込み、返済不要の奨学金制度の設立を目指していま…