バカ田大学講義録

バカ田大学は、限りなくバカな話題を大真面目に論じる学舎です。学長の赤塚先生が不在のため、私、田吾作が講師を務めさせて頂いております。

太陽は燃えている

地球上に生きる私たちには、毎日太陽の光が

降り注いでいます。一見当たり前に見えますが

そもそも太陽とは何なのでしょう。今回は天文学の視点から太陽と核融合について解説します。

 

「宇宙の始まり」

宇宙が始まりがどのようなものであったのか、

天文学、物理学の様々な見解と宇宙論があり、

世界中の学者たちが、加速器による粒子の衝突実験などで宇宙誕生の謎に挑んでいます。

およそ100億年前に宇宙は誕生したといわれており、巨大なエネルギーと素粒子ダークマターと呼ばれる未知の暗黒物質によって構成されました。

素粒子が集まった電子、陽子、中性子は陽子と中性子から構成される原子核の周囲を電子が飛び回る状態で安定し、これが原子となります。個々の原子はバラバラの状態であり、ガスの状態で宇宙空間を漂いますが、僅かに重さ(引力)があるため、周囲の原子と引き合います。このうち水素原子が集まり、内部で核融合反応を繰り返している星が、太陽のように自ら光を放つ恒星なのです。

 

「太陽系の誕生」

他の原子も引力によって違いに引き寄せられ、最初はガス状の塊だったものが、岩のような小惑星となり、大きな天体に集まることで惑星になりました。惑星は太陽の周囲を回っており、太陽の重力の影響下にあるのですが、公転する遠心力と釣り合っているため、太陽に引き寄せられられずに惑星として回っています。 

惑星とは「彷徨う星」という意味ですが、これは天文学発足時には、地球を中心に太陽とその他の星が回っている天動説が一般的だったため、惑星の軌道が理論に当て嵌まらなかった

からです。現在、惑星は水星、金星、地球、

火星、木星土星天王星海王星があり、

冥王星は惑星の定義から外れました。

 

「太陽の活動」

太陽は、太陽系最大の天体であり、体積は

地球の1500,000倍、質量は330,000倍あります。成分は水素が集まったガス球であり、中心部で水素の核融合エネルギーを発しています。水素は酸素と一緒に燃やすと化学反応により熱と水になりますが、宇宙空間に酸素がありません。代わりに重水素原子核同士が融合することで、熱とヘリウムになります。

水素1グラムの核融合は、水素8トンの化学反応と同量の熱を生み出すほど、核融合のエネルギーは凄まじいものです。太陽中心部は原子核が電子と分離したプラズマ状態であり、1秒間に水素爆弾1億発以上ともいわれるエネルギーは、そのままでは大爆発しますが、太陽の超重力により中心部にとどまり数十万年かけて太陽の表面に届きます。

太陽の表面温度は約6000℃ですが、周囲はコロナと呼ばれる200万℃の大気で覆われています。この太陽大気は太陽系全体を覆っており、

太陽風として惑星に到達します。

 

「宇宙の天候」

太陽の活動が活発化すると、太陽フレアという炎が上がりますが、(フレアの高さだけで地球数個分です)この時太陽風に乗って、膨大な紫外線が地球に降り注ぎます。磁力線の防御により紫外線は地表まで到達しませんが、地磁気の極である北極と南極では紫外線が降り注ぎ、オーロラとして観測出来ます。

太陽活動は11年に1度のペースで活発化しており、これを太陽嵐と呼んでいます。太陽嵐が発生した際は、北海道でオーロラが観測されるほど大量の紫外線が地球上に降り注ぎます。 また太陽風に乗ってくるガンマ線地磁気と反応することで、大気圏に巨大な電位をおび、人工衛星の故障や送電網のパンクを起こします。

太陽光は地球全体を暖め、海水の蒸発により

巨大な雨雲を作るなど、膨大なエネルギーを

持ちますが、太陽の放つエネルギーのうち、

地球に到達するのは1000万分の1以下です。

 

太陽と地球の距離は約1億5000万㎞あり、

ジェット機の速度で11年かかります。

太陽光ですら地球到達に8分24秒かかるほど、

地球との距離は離れています。もしも太陽と地球が今以上に接近するか、爆発的な太陽フレアが発生すれば、地球そのものが蒸発してしまいます。太陽は地球の母なる星であると同時に、

地球とは桁違いのエネルギーに満ちた星なのです。